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未来にホタルの光を残すために  日本ホタルの会  名誉会長  矢島 稔

 

 

 日本ホタルの会のホームページにご訪問いただきありがとうございます。昔から私たち日本人は、ホタルのほのかな光を感性で捉え、心のよりどころとして見つめてきました。1匹のホタルが草むらで光り始め、やがて飛び立ち、数が増えて乱舞するのを見たときの感動は、何ものにも代え難いものです。しかしこれは、ほの暗い林や美しい自然が背景にあり、そしてこれらの環境を無意識に感じているからこそ、「美しさ」で心が満たされるのではないでしょうか。現在、日本各地でホタルの保護活動が盛んに行われています。また、初夏になれば「ホタルまつり」も多く行われます。しかしながら、ホタルは美しく光るが故に観光資源にされ、目玉として人集めに使われている場合が少なくありません。こういうことを繰り返していたら、やがてホタルは減少し、その生息環境にも関心を持たない人が多くなってしまうでしょう。人間だけを尺度にした考えの間違いに気づかずに、ビオト-プのミニチュアを造ることが自然との共生と思ったり、見た目だけの快い環境が小動物には生きていけない場所になってしまうことを理解していただきたいのです。局地的でも多くの生き物のすめる豊かな自然環境を確保し、それを次世代に残す努力をしなければ未来に美しい「光」はないでしょう。 日本ホタルの会は、生き物のすみかを確保し、どこまでが限界なのか、そしてどういう方法で共生が可能なのかを探ろうというものです。ホタルをたくさん飛ばそうとか、それだけを人工的に守ることは不可能だということを一人でも多くの人に知ってもらいたいと思います。ホタルは、環境の結晶なのです。

 私たちにとって、初夏の夜を彩るホタルの光ほど印象深いものはないでしょう。その独特な光の目的やどのような仕組みで発光するのか、といったことが最近になって少しずつわかってきています。しかし、ホタルはその生活する環境の影響がすぐに反映されやすくちょっとした変化にも耐えられません。これは、ホタルだけに限ったことではなく身近な生き物すべてに言えることなのです。ホタルや身近な生き物を通じて環境問題に注目し、どうしたらそれを守り私たちと共存できるかを調べる・・・それが 「日本ホタルの会」なのです。

矢島 稔  /  東京生まれ。東京学芸大学卒業。 1961年、東京都多摩動物公園に勤務し「昆虫園」を開設。
1980年、日本博物館協会、棚橋賞受賞。上野動物園水族館長を経て、1987年、多摩動物公園園長となり、翌年「昆虫生態園」をオープン。

1991年文部大臣表彰受賞。東京動物園協会理事長を経て、1999年より群馬県立「ぐんま昆虫の森」園長、

2013年「公益社団法人日本動物学会」から「平成25年度日本動物学教育賞」受賞。

2017年「第68回(平成28年度)日本放送協会放送文化賞」受賞

現在 「ぐんま昆虫の森」名誉園長。